頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム ソフトウェアエコシステムの理論構築と実践を加速する分野横断国際ネットワークの構築 Interdisciplinary global networks for accelerating theory and practice in software ecosystem

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プロジェクト概要

マイニングソフトウェアリポジトリ(MSR)とは,ソフトウェアそのものとその開発・利用過程を表す膨大なデータ(ソースコード,バグレポート,コミュニケーションログ等)を解析し,ソフトウェア開発・利用における品質・コスト・進捗等の管理や出荷・購入・導入等における意思決定に役立つ知見を導き出す研究の総称です.ソフトウェア工学おいて,近年,最も活発な研究分野の一つです.国内においても,オープンソースソフトウェア等を対象とした研究が盛んに行われており,ビッグデータという言葉の登場もあり,産業界からも注目されています.ただし,世界トップクラスのMSR研究者によって,2つの喫緊の課題として,「自然言語で記述された大量の非構造データをうまく扱うことができない」,「マイニングで得られた結果を活用するための理論的枠組みが乏しい」が指摘されています.

本事業は,MSRにおけるそれら2つの課題を,自然言語処理とゲーム理論をMSRに積極的に応用するという,これまでにないアプローチで解決しようとするものです.具体的には,次に挙げる3つの基盤技術を開発し,それらを包含し,かつ,連携と相乗効果を促進するための新しい研究領域「ソフトウェアエコシステム」の創設を目指します.

ソフトウェア言語処理:バグレポートやコミュニケーションログ等に含まれる自然言語文を解析・構造化し,ソースコードとの対応付けを行うことで,ソフトウェア開発データにおけるマイニング可能領域を拡大し,それに適したマイニング技術の確立を目指します.

ソフトウェアエコノミクス:ゲーム理論・メカニズムデザインにより,ソフトウェア開発データのマイニング結果を活用するための理論的枠組みを構築し,ソフトウェア開発プロジェクトにおけるステークホルダ(利害関係者)管理と意思決定を支援する技術の確立を目指します.

ソフトウェアエコシステムデザイン:ソフトウェア開発を社会性の高い生態系と捉え,組織やプロジェクトをまたぎ,長期的な視野に立った意思決定が可能な枠組みを実現・実践する技術の確立を目指します.

更に,日本のMSR研究者に対して,自然言語処理とゲーム理論という新しい切り口を武器に,世界トップクラスのMSR研究者と互角に渡り合う一方で,国際共著論文の執筆や国際研究集会の立ち上げ・運営等を通じて彼らとの連携を深める機会を提供します.これにより,永続的な活動基盤としての国際研究ネットワークを強化・拡大し,国内外の研究者をつなぎ頭脳循環を加速させる人的なハブ,あるいは,ゲートウェイとなる人材の育成を目指します.